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マーケティング(2)敷居効果(Threshold Effects) CACAO TOWN
 


 

 

 

潮目を読む

新製品に関して、コンセプトは従来製品と同じなのに何故か爆発的に受け入れられた、という事例を目撃したことはありませんか。商品のヒットには様々な要因が作用してい ますが、その一つに敷居効果というものがあります。玄関の敷居が高いと中に入るのを躊躇してしまうというあれです。新商品についてもこの敷居がなくなることで、一気に入りやすくなることがある のです。

例えば2000年以降、ブロードバンドの普及率は爆発的に上昇しましたが、その少し前、NTTはISDNで加入者集めに散々苦労し ていたのです。これは、いくつかの制約要因が解除されたためです。すなわち、高性能パソコンの普及、通信コストの低下、コンテンツの充実など の環境が整ったことが主因です。しかし、変化とはあるとき突然に、しかも大胆にやってきます。それが敷居効果なのです。

敷居効果が起きる理由は、消費者の多くが実は冒険を好まない性向を持っているためです。もちろん消費者の一部は新しいもの好きで、他の人が知らないことを試すのが大好きです。しかし、一般にこういうタイプの人は消費者のごく一部と言われています。ほとんどの人はある程度認知度が高まった段階でトライしてみるのです。知らないものを試すのはリスクがあります。多くの人はひどい商品をつかまされることをひどく嫌うのです。なぜなら買い直しによってコストは嵩むし、手間も二重になって心理的に不快な気分を味わうからです。

一般に敷居効果は普及率がある点を突破した段階で現れますが、どのレベルから起きるかは製品によって異なります。例えばコンピュータOSや携帯電話などは普及率が低いと互換性に欠け、実用性が劣りますので相当浸透しないと爆発はしません。一方、ファッションや玩具などはそのようなリスクがありませんので、ずっと低い普及度からもブームが起こりえます。

ところでなぜ普及率が関係あるのでしょうか。それは普及率が高くなると、周囲の人が使い出すのに気づき自分も試そういう気になること(露出効果)、参入企業が増え、価格の下落進むことなどが原因です。また、初期に購入した人達からのフィードバックが商品に反映されてユーザーフレンドリーになること、技術的なブレークスルーが次々見られることなども見逃せないポイントです。

ビジネスではこうした敷居効果を見越した戦略を立てること、すなわち潮目を読むが必要です。大企業になれば読むだけでなく、自ら潮目をつくり出す力もあります。中堅企業であれば、企業間提携などでレバレッジを働かせることも有効な方法でしょう。