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マーケティング(1)差別化(Differentiation) CACAO TOWN
 


 

 

 

付加価値をつけるには差別化が必須

差別化というのは、他社製品にはない特徴を自社の製品やサービスに持たせることを指します。例としてベビーカーや扇風機といった、歴史の長い製品について考えて見ましょう。 店頭にはテー多数の会社による、数え切れないほど多くの種類の製品が陳列されています。そんな中で何の特徴もない製品があったらどうでしょうか。あえてそれを選択しようとする人は とても少ないはずです。圧倒的なブランドがない限り、そういう製品を売るためには価格が飛びぬけて安いことが必要になります。つまり代わり映えのしない製品では値引き合戦に 巻き込まれてしまうのです。

生産者の論理という言葉があります。それは、これだけコストがかかっているから値段はこれくらいであるべきだ、とか、買った人がXX円分のメリットを享受する製品だからこの値段で見合うはずだ、というようなことです。しかし、客の側から見れば、同じ機能であれば安いものを選択するだけの話で、 こうした論理は通用しません。こういう場合価格の下落はとどまることろを知りません。

一方、ほんのちょっとした差が客の心に強く訴えるケースがあります。例えばかつて黒い箱型ばかりのノートパソコン市場に真っ白な躯体で登場した新機種は多くの人のハートをがっちり捉え、特段価格が安くないのに指名買いする人を増やしました。これが差別化の効果です。

付加価値=渇望である

なぜ人は差別化された商品に付加価値を感じるのでしょうか。「痒いところに手が届く」という表現がありますが、逆に痒いところに指一本分届かない状況を考えて見ましょう。それは非常にもどかしく、届かないからと言って簡単にあきらめられるものでは ありません。そこに手が届くならいくら払ってもいい、という気にさえなります。差別化とは言うなればこういう状況を人為的に作ることです。

それまで自分でも知らなかった心の渇望にふと気づいた時、人はそれを満たしたいという強烈な欲望にかられます。その瞬間、他のものでは代替できない心理的状況が発生するのです。それを満たすためであれば、お金は気前よく払っても構わないと人は考えます。 客観的にはちょっとした差しかないのに、モテる人は徹底的にモテるというのと案外似ているかもしれません。

一方、電化製品などでよく見られることですが、例えば50種類の機能を持つ製品に対して100種類の機能を持つものが差別化できているかといえば、それは違います。それはある意味で同じ路線での進化にすぎないためです。機能がありすぎて敬遠されるケースも散見されます。差別化にはもっと心に響くしかけが必要なのです。

それでは効果的な差別化を行うポイントは何でしょうか。絶対に欠かせないのは、従来と異なる観点から製品を眺めることです。先の例で言うと、コンピュータは機能製品だというのが従来の観点でしたが、コンピュータも家具という視点で見た とき画期的なデザインが生まれ、差別化ができたのです。こうした観点の見直しは「商品の再定義」という形で行われ、今ではあちこちの業界で進行中です。例えば、自動車は輸送機械ではなく居住空間である、とか、携帯電話は通話機器ではなく生活サービスの窓口である、といった具合です。こうして思考の枠組みを意図的に広げ、その上で必要な機能・要素を探っていくわけです。これブレーンストーーミングの手法に非常に似ています。シンプルな発想でもよいので、これは今までにない、と思わせる切り口でコンセプトをまとめることが非常に重要です。