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Case Study デパート 百貨店の使命を再構築する | CACAO TOWN | ||
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百貨店は斜陽産業とも言われることが多くなりました。確かに、かつて初の一兆円企業として話題になった高島屋も現在の売上げは一兆円を大きく割り込み、しかも縮小傾向はとどまるところを知りません。果たして百貨店に未来をもたらす方法はないのか今回考えてみることにします。 問題の所在を仮説化する 全国トップのデパートである高島屋をはじめとする百貨店は売上げがダウンし続けています。残念ながら、これは流通業界の大きなトレンドであり、待っていればやがて売上げが今後回復するという状況にはないと考えられます。 こうした中、百貨店はどのような手を打つべきでしょうか。私は従来の延長線ではおそらく業績の急回復は難しく、何か新しい、業界の常識を超えた施策を展開すべきと考えます。 まず肝心なのは、従来の百貨店の使命はほぼ終了したことを認識するこだと思います。すなわち、良いものが何でも揃っているということはもはや消費者に魅力ではありません。専門店など他でも買えるものを敢えて百貨店で買う理由はますます小さくなっています。外商もデパートのブランドがあってこそですから、今後の伸びには限界があるでしょう。 こうしたわけでデパートは新しい使命を謳う必要があるわけですが、私なら、デパートを「暮らしの総合サービス」業と再定義致します。それはお客様の暮らしをコーディネートする場を提供するということです。そこでは従来のように、ネクタイのコーナー、ゴルフ用品のコーナーのような商品単位での陳列販売はなくなっていくでしょう。新しい店舗のコンセプトでは、お客様が最も気になるテーマごとにコーナーが形成されることになります。例えば調理器具コーナーの代わりに、「スローフードを体験する」というコーナーが生まれ、そこではスローフードをテーマに、それが何故世界的に見直されているのかがわかるような展示がなされ、食器に限らず、関連書籍、写真、食材などが並び、そのコーナーに共感される方は何か一揃え買わずにいられないというように致します。お客様はそこで新しいご自分を発見され、それが価値になるということです。 仮に私に1フロアを任せて頂けるのであれば、私はその階を「始めてみよう 新体験のフロア」にアレンジするでしょう。レコード・書籍といった従来のコーナーは廃止し、その代わりに人生が豊かになる様々な経験・趣味ごとにコーナーを設置します。例えば、乗馬、写真、クラフト、料理、知的ゲーム、盆栽、といったコーナーがフロアを埋め尽くします。今まで関心はあるがどのように始めたら良いのかわからなかったお客様も、そのコーナーを訪れるなりその魅力を理解できるような展示と品揃えにし、質問にも答えられる深い知識を持った店員を配置し、また、商品を購入した方がどこで楽しめるのか、といった情報の提供や提携団体の紹介なども行います。こうしたお客様は長きにわたりおつきあい頂ける可能性を持っていますから、各コーナーがどれだけ深みを持ったものであるかが極めて重要になります。 衣服も同様で、単にブランド品を並べるだけではなく、例えばファッション雑誌と提携し「おしゃれの実践講座」を開催してカラーコーディネートの基礎などからスタートできるようにします。ここで学びながら徐々に色々な品物を試し、本当におしゃれな人になる近道を提供するわけです。普通の方は短い間に何度も同じ店で買うのは野暮と敬遠されることがありますが、このような手法なら何度でも来て頂けます。 人にはライフステージというものがあり、ニーズがそれによって異なります。そのニーズを手助けし、実のある人生の実現をサポートする、というのをデパートのコア理念にしていくということを私は提案します。熾烈なビジネスに疲れ気味だが、充実したプライベートを望む方へのアクティブライフの提案、現役を引退し、家族や自分のために更に充実した暮らしをしたい方のための理想的リトリートライフ、といったイメージです。生涯にわたって本当の意味でのお付き合いを頂ける深いサービスの提供をしていくのが今後の時代に合っていると考えるためです。 |