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Books 対話マーケティング 平林典子 | CACAO TOWN | ||
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差別化は時代遅れ 本書はいわゆるノウハウ本の体裁をとっているが、内容的には非常に参考になる新しいコンセプトが含まれている。それは従来のマーケティングの中核的概念である差別化が既に通用しなくなっているというもの。寝る間も惜しんで自社製品の差別化に没頭しているマーケターが聞いたら目を剥きそうな話であるが、これがよく聞いてみれば実に尤もなことなのである。 簡単に本書の主張をおさらいしてみよう。
多くのマーケターはここで深いため息をついているはずだ。あまりにも我々の直面する現実が上記とダブるからだ。しかし一方差別化は可能だは息巻く人もおられるであろう。実際成功している企業の例もあるし、人の知恵は尽きるものでもない。 上記について仮に結論を出すのであれば、非常に革新的な製品は今後も生まれるであろうし、また、同じような製品であれば比較して付加価値の高い方を選ぶであろう。その意味で差別化のために尽力することは無意味ではない。しかし消費者が満腹気味であるなら、確かにその効果は年を追うごとに下がっているであろうということだ。従って、企業としては、更なる差別化を生み出すノウハウを貯めるか、または思い切って他に消費者に訴えるものを考えてみる、というどちらかのアクションが必要になるのである。 本書では後者の方法として対話マーケティングというものを唱えている。その論拠は、消費者の「情報行動力」が上がってきており「見たい、聞きたい、話したい」という積極的な態度が見られるようになったということだ。そのため、企業としても自社の製品の製造工程を開示したり、開発秘話を提供したりと会社ぐるみで消費者と対話することで、消費者の心をとらえることができるというわけだ。 実際には上記ような消費者ばかりでなく、ご承知のとおり面倒な情報収集などはできる限り避けたいと考える消極的な消費者も増加してきている。企業としては両面に対応する必要があるわけだ。ただ消極的な消費者の行動を考えてみると、おそらく商品に大差がない場合ブランドか他人の評判を当てにして自動的に商品を選択する傾向が強いであろう。こうした意味でも「対話するブランド」というのは決してマイナスイメージにはならない。 その意味で、筆者の主張は非常に的を得ていると評価できる。尤もこのような対応は非常に手間とコストがかかるものであり、一足飛びに収益につながるものではない。自社のビジネスモデルに照らして検討していく必要がある。 |